納豆は大豆たんぱく質、食物繊維などを含む食品ですが、納豆を毎日1パック食べればLDLコレステロールが決まった割合で下がるとは言えません。
大豆たんぱく質を調べた研究、ナットウキナーゼのサプリメントを調べた研究、食品として納豆を食べることは条件が異なります。研究の対象と日常の1食を分けて考えることが大切です。
また、「発酵食品だから」「食物繊維を含むから」という理由だけで、納豆固有のLDL低下効果が証明されたことにはなりません。大豆たんぱく質、発酵によって生じる成分、食物繊維は、それぞれ別の根拠として扱います。
大豆たんぱく質の研究をどう読むか
米国FDAが検討対象とした46件の比較試験を検証したメタ解析では、成人が大豆たんぱく質を摂取した場合のLDLコレステロールに、平均的な変化が報告されています。
ただし、その解析で使われた大豆たんぱく質の中央値は1日25g、追跡期間の中央値は6週間で、納豆1パックそのものを試した研究ではありません。納豆1パックに含まれるたんぱく質量や、普段何と置き換えるかも人によって違います。
したがって、「納豆1パックでLDLが○%下がる」「イソフラボンだけで下がる」といった換算はできません。納豆は、脂身の多い肉料理などに偏っているときに、植物性たんぱく質を含む主菜の一つとして使うと考えます。
大豆食品の選択肢は、豆腐とコレステロールの関係や豆乳を選ぶときの注意点でも紹介しています。
ナットウキナーゼとコレステロールは別に考える
ナットウキナーゼのサプリメントを調べたランダム化比較試験のメタ解析では、LDLコレステロールへの一貫した有益性は確認されていません。また、サプリメント研究の用量や製品を、食品の納豆へそのまま置き換えることはできません。
ナットウキナーゼのサプリメントを、抗凝固薬や脂質異常症治療の代わりに使用しないでください。
食事へ取り入れるときの見方
商品1パックを1回分にする場合も、コレステロール対策として全員に必要な量ではありません。大豆アレルギー、腎臓病などで食事指示がある場合は、その指示を優先してください。
食品安全委員会は、通常の食事を前提とする大豆イソフラボンの摂取目安量と、特定保健用食品などから上乗せして摂取する場合の目安を別々に示しています。納豆だけでなく、豆腐、豆乳、強化食品、サプリメントなど1日全体で確認します。
重要:ワルファリン服用中は納豆を避ける
納豆に含まれるビタミンKや納豆菌は、ワルファリンの作用を弱めます。PMDAは、服用中は納豆を控える必要があり、納豆の影響は数日間続くと説明しています。食べる間隔を空ければよいとは考えず、医師・薬剤師の指示に従ってください。
薬の名称が分からない場合や、別の抗凝固薬を服用している場合も、自己判断で「納豆は大丈夫」と決めず、処方した医師・薬剤師へ確認してください。薬を中断して納豆を食べることも避けてください。
妊娠中の考え方
食品安全委員会は、妊婦が通常の食事に加えて大豆イソフラボンを濃縮した健康食品などを上乗せして摂取することを推奨していません。これは、通常の食事として納豆を一律に禁止するという意味ではありません。
納豆以外の大豆食品やサプリメントを多く利用している場合、持病や服薬がある場合は、医師・助産師などへ相談してください。「食品だから量を気にしなくてよい」「妊娠中も必ず安全」と断定しないことが大切です。
食事全体と一緒に振り返る
納豆を食べたかだけでなく、主食、野菜、ほかの主菜、飲み物、間食を含めて確認します。食事写真から脂質・食物繊維など5項目と、次の一食のヒントを確認できます。
特定の食品へ頼らず食事を組み立てる考え方は、コレステロールが気になるときの食品の選び方も参考になります。
よくある質問
ひきわり納豆の方がLDL対策になりますか?
粒の大きさや製法の違いだけで、LDLへの効果が優れるとは言えません。栄養成分、付属のたれ、食べやすさで選びます。
ナットウキナーゼサプリを使ってもよいですか?
食品の納豆とは別に考えます。製品によって成分や用量が異なるため、メタ解析の結果を市販品全般へ当てはめることはできません。治療中に利用を考える場合は、自己判断で治療の代わりにせず、医師・薬剤師へ確認してください。
まとめ
- 大豆たんぱく質の研究を、納豆1パックの効果へ直接換算しない
- ナットウキナーゼのサプリ研究と食品の納豆を分けて考える
- 納豆は単品の効果ではなく、主菜の置き換えと食事全体で位置づける
- ワルファリン服用中は納豆を避け、医師・薬剤師の指示に従う
📅 最終更新: 2026年7月 | 記事の内容は定期的に見直しています




